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すべての生肉が同じではありません

06.07.2023
猫の健康と栄養

新鮮さ、安全性、処理方法が猫の健康を左右します

猫には肉だけの食事が最適だという話はよく聞きます。それは、猫の消化管が短く、他の食材から十分な栄養を吸収するのが難しいためです。しかし、生肉であれば何でも良いというわけではありません。

屠殺からお皿に届くまでの時間

野生の猫科動物は主に小さな齧歯動物を狩ってすぐに食べます。とても新鮮な状態で捕食するのが自然なのです。しかし、私たちが今日手に入れる肉は、猫が今しがた捕まえたネズミのように新鮮なものではありません。

EU認証の屠殺場では、動物が屠殺された後、その死体は部位ごとに分けられ、加工を経てから市場に出回ります。たとえ地元の肉屋で買ったとしても、その肉が数分前に屠殺されたわけではありません。さらに、持ち帰って猫に与えるまでにも時間がかかります。この間に、冷蔵や衛生管理がどれだけ徹底されていても、細菌や寄生虫が残ったり繁殖したりする可能性はあります。

病原体のリスク

人間が食べる肉では、このリスクはあまり問題になりません。というのも、人が肉を食べる際には通常加熱調理をするため、加熱によって病原体が死滅するからです。また、一部の寄生虫は人間にはほとんど影響を及ぼしません。

しかし、猫に与える肉は多くの場合、生のままです。猫が野生で狩った獲物も火が通っていないため、それにならって生肉を与える人も多いのです。その結果として、肉に残る細菌や寄生虫が猫にとって有害になる可能性があります。

人間はタンパク質をさまざまな食品から摂取します。1日の推奨摂取量は体重1kgあたり約0.8gであり、必ずしもすべてが肉である必要はありません。しかし、猫の食事は基本的に100%肉で構成されており、もし汚染された肉を食べると、食事の大部分が病原体にさらされることになります。さらに、猫の体は人間ほど病原体に対して強くありません。

病原体とは？

アメリカ国立衛生研究所（NIH）の定義によれば、病原体とは宿主に病気を引き起こす微生物であり、その重症度は「病原性」と呼ばれます。病原体にはウイルス、細菌、単細胞および多細胞の真核生物、寄生虫などが含まれます。ウィキペディアでは「病原体とは、病気を引き起こす可能性のあるあらゆる生物または因子である」と説明されています。

人間用肉とペット用肉の基準の違い

こうした寄生虫の存在により、EUでは人間用の肉よりも、動物用に使用される肉の方が高い衛生基準を求めています。特定の寄生虫に関しては、ペット用とする前に追加の検査を通過しなければなりません。人間用の肉の方が高品質だと思われがちですが、実際にはペット用の肉の方が厳しい基準を満たす必要があります。たとえば、生の鶏むね肉を買って猫に与えるのは一見健康的に見えても、実は想像以上にリスクがあるのです。